お悩みQ&A
のどの病気

扁桃炎

扁桃炎って、どんな病気?

扁桃(へんとう)が炎症を起こし、腫れる病気です。ひどくなると、扁桃に膿がついて高熱が出て、のどが痛くなり、食事も食べられなくなるときがあります。水も飲めなくなると、入院して治療することもあります。更にひどくなると、扁桃の周囲に炎症が広がる扁桃周囲炎や、扁桃の周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)を起こすこともあります。また、扁桃炎だけでなく、腎炎や皮膚炎、関節炎など、他の部位にまで病気を作り出す(病巣感染症:びょうそうかんせんしょう)こともあり、要注意です。

こんな症状があれば要注意!

・のどが痛く、熱が出て、飲み込むのもつらい。
・のどが痛くて、口が開けにくい。
・飲み込むときに、耳の方に痛みが走る。

この病気の原因は?

扁桃はリンパ組織で、外から入ってくるバイ菌やウイルスから体を守る働きがあります。口の中は、最初にバイ菌やウイルスに触れるので、そのために扁桃が働いて、扁桃炎を起こすのです。その結果、痛くなったり熱が出たりします。なかには、頻繁に扁桃炎を繰り返す方もおられ、そのような場合には手術をした方がいい場合もあります。

このように治療します。

多くはバイ菌が原因になるもので、抗生物質の内服や点滴で治療します。お薬をのんで、良くなったからといって途中でやめてしまうと、再び悪化することもありますので、しっかりとお薬をのんで治療しましょう。また、体が疲れると、扁桃炎を起こしたり、悪化させる人も多く、よく扁桃炎を起こす方は、日頃から十分な睡眠や休養をとるように心がけましょう。扁桃炎を頻繁に繰り返すような場合は、手術で治療することもありますが、単に扁桃が大きいだけでは手術は行いません。扁桃を手術するのは、①扁桃炎を繰り返す、②扁桃が大きくて食事や呼吸に支障があったり、睡眠時無呼吸を起こす場合、③病巣感染症の原因になっている、などの場合です。手術は、全身麻酔で7〜10日間程度の入院が一般的です。

いびきと睡眠時無呼吸症

いびきはどうしてかくの?

寝ている時に鼻からのどにかけてのどこかが狭くなると、そこを空気が通るときに音が出ます。これが「いびき」です。狭くなる部分は、主に鼻、のどちんこの周囲(軟口蓋)、舌の付け根(舌根)が代表的ですが、それ以外に顎(あご)が小さかったり、肥満などが原因になることもあります。なかには、いびきだけでなく、寝ている時に呼吸がとまる(睡眠時無呼吸症候群)方もおられ、昼間に眠いだけでなく、高血圧、脳卒中、心臓病などとの関連も指摘されています。睡眠時無呼吸症候群とは、1回あたり10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上、あるいは7時間の睡眠中に30回以上ある状態を言います。当院で調べた患者さんの中にも、一晩に400回以上の無呼吸を起こしておられる方もしばしばおられます。このような無呼吸では充分に熟睡できないために、いびきだけでなく起床時に頭痛を起こしたり、日中仕事中に眠気を催したり、倦怠感を感じたりします。

こんな症状があれば要注意!

・若い頃に比べて、体重が増えた。
・昼間、仕事中、運転中にも関わらず眠くなる。
・睡眠をとったにも関わらず、頭がボーッとする。

どうやって調べるの?

検査は図のような小型の機械を手につけて、ただ眠るだけです。痛い検査ではありません。これで睡眠中の呼吸状態、脈拍、血液中の酸素濃度、いびきの程度などを記録し、無呼吸の程度がわかります。日中に眠い、睡眠中のいびきが大きいという場合は、ぜひ一度検査を受けることをお勧めします。


このように治療します。

睡眠時無呼吸症候群の程度が強い場合は、眠るときにCPAP(シーパップ)という器械をつけて、圧力をかけた空気を送り込むことで、狭い部分を広げる治療を行います。肥満している方は、適正な体重にコントロールしましょう。他には、狭い部分を広げる手術の治療やマウスピースを使用する治療法などがあります。


のどの違和感

のどの違和感って、どうしてあるの?

「のどに何かつまる感じがある」「タンがひっかかる感じがある」などの症状で受診される方がよくおられます。何ヶ月も症状が続くので、中には「ガンだったらどうしよう」と心配になって受診される患者さんもおられます。最も多いものは、「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」という神経症によるものですが、それ以外に①のどの炎症、②のどのアレルギー、③ちくのう症、④胃酸がのどまで逆流する、⑤ガンなどの、のどの「できもの」、等が原因になります。

こんな症状があれば要注意!

・お酒をたくさん飲んだり、タバコを吸う。
・飲み込むときに、のどの奥でひっかかる。
・いつもタンがからむ感じがしている。
・胸焼けやゲップが多い。
・首にしこりがある。

どうやって調べるの?

「のどの違和感」は症状ですので、その原因になる病気によって治療法は異なります。まず原因を見つけるために、細いカメラを鼻から入れて、のどの奥を見たり、レントゲン検査や超音波検査をしたり、血液検査でアレルギーや炎症を調べることもあります。さらに、必要な場合は大きな病院でCT検査や胃カメラをお勧めすることもあります。

このように治療します。

検査で原因が明らかになれば、それに応じた治療を行います。原因がはっきりせず、神経的なものである場合は漢方薬で治療することもあります。

長引く咳

咳が長く続いているけど、どうして?

胸のレントゲンなど、内科の検査では異常ないのに、咳が続いているという患者さんが多く受診されます。咳は最も多い症状のひとつといわれていますが、カゼなどの急性炎症では、一般的に3週間までといわれています。従って、3週間以上続く咳は治りにくい咳と言えます。レントゲンで異常が無いのに、咳が続く場合の原因として、①副鼻腔気管支症候群(ちくのう症に気管支炎などの病気があるもので、タンがからみます。マクロライドというお薬が効きます。)②咳喘息(せきぜんそく;咳は夜から朝に多く、カゼ、運動、タバコ、冷気などで悪化することがあります。3割程度が本当の喘息になると言われています。)③アトピー咳嗽(アトピーがいそう;アレルギーが関係し、のどがイガイガする咳で、気温の変化や、タバコの煙、会話などで誘発されます。)、の3つが代表的原因と言われています。

どうやって調べるの?

3週間以上咳が続く場合、まず内科で胸のレントゲンをとり、異常がないかをみてもらうことをお勧めします。そのうえで、ファイバースコープ、血液検査、鼻のレントゲン検査、呼吸機能検査などの検査をします。

このように治療します。

検査をしながら抗生剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤などを使用し、どれが効果あるかを確認し、治療しながら診断をつけていきます。

声がれ

どうして声がかれるの?

声は、喉頭(こうとう)という『のどぼとけ』の中にある声帯(せいたい)が開いたり、閉じたりすることで出しています。この声帯が、真ん中でピッタリと閉じなければ、良い声を出すことは出来ません。カゼなどで声帯に炎症があったり、ポリープや癌ができたりすると、声帯が閉じないので声がかすれます。他に甲状腺のガンなどで、声帯を動かす神経がマヒしてしまって、声帯そのものが動かなくなって声がかすれることもあります。

こんな症状があれば要注意!

・最近、声がかすれてきた。
・日頃、声をよく使う。
・タバコをたくさん吸う。

どうやって調べるの?

ファイバースコープを鼻から入れて、声帯をくわしく見ます。ほとんどの方は、粘膜の表面を麻酔しなくても検査可能で、座ったままできます。のどの奥まではっきりとみることができる電子ファイバースコープ以外に乳児用、処置用など数種類のファイバースコープを用意しております。撮影した画像は大型モニターで、過去の画像と比較しながら、病状や治療の方針を説明しています。

このように治療します。

炎症によるものであれば、ネブライザーやお薬で治療します。また、声帯を休めるために、できるだけ声を使わないようにすることをお勧めします。ポリープでも小さいものなら、声を使わないようにしたり、ネブライザーで治ることもあります。しかし大きいポリープで声がれが強い場合は、手術が必要になることもあります。また、細胞をとって調べてガンの場合は、大きな病院で放射線治療や手術での治療が必要になります。

声帯ポリープ
声帯ポリープ

喉頭ガン
喉頭ガン