- Q.
- 耳あかはどのようにして取ればいいの?
- Q.
- 耳掃除に耳鼻科を受診してもいいの?
- Q.
- 耳あかはどのくらいの期間で取ったらいいですか?
- Q.
- 耳に水が入ると、中耳炎になりますか?
- Q.
- 突然、耳が聞こえなくなり、耳のつまる感じや耳鳴りがあります。
- Q.
- 子供の耳が、休日や夜中に痛くなったときは、どうしたらいいですか?
- Q.
- 急性中耳炎といわれましたが、お風呂やプールはどうしたらいいですか?
- Q.
- 中耳炎と言われて耳鼻科に通っていますが、なかなか治りません。どうしたらいいですか?
- Q.
- 子供が最近呼びかけても反応が悪く、テレビの音も大きくしています。耳が悪いのでしょうか?
- Q.
- 滲出性中耳炎といわれ通院中ですが、プールは入っていいんですか?
- Q.
- 中耳炎の治療で、鼓膜に穴をあける治療があると聞きましたが、大丈夫なんですか?
- Q.
- 最近、スポーツで鼓膜が破れました。ふさがるでしょうか?
- Q.
- 聞こえにくいのですが、治すことはできますか?
- Q.
- めまいがありますが、何科を受診すれば良いですか?
- Q.
- 耳鳴りは治るんでしょうか?
- Q.
- 耳掃除してから、耳が痛くなりました。
- Q.
- お年寄りの難聴は、治らないんですか?
- Q.
- 補聴器で難聴が進行することがありますか?
- Q.
- 補聴器をつけても、雑音ばかり聞こえて役に立たないと聞きましたが、本当でしょうか?
- 耳あかはどのようにして取ればいいの?
- 耳あかは、古い皮膚がはがれ落ちたもので、かならず出来ます。しかし、普通は耳の穴の皮膚が奥から外側に移動してくるので、それにつれて耳あかも外に運び出されます。耳掃除をするときに、太い綿棒を使うと、逆に耳あかを奥に押し込んでしまうので、細い綿棒を使って、まず一旦綿棒を奥に入れてから、耳の穴の壁に当てるようにして、外側に掻き出すようにすると良いでしょう。また、毎日掃除をする必要はありません。するのであれば1ヶ月に、1,2度の掃除で充分です。また、爪楊枝や金属製の耳かきで掃除する方もおられますが、強くかきすぎると傷がついて外耳炎を起こしますので、あまりお勧めしません。取れないときは、無理をせず、耳鼻科を受診して下さい。
【よくある耳鼻科の病気】耳あかはこちら
- 耳掃除に耳鼻科を受診してもいいの?
- もちろんです。中には耳垢栓塞(じこうせんそく)といって、完全に耳の穴がふさがって、耳栓のようになり聞こえにくくなっている方もいます。また、耳あかが多いと、水などが耳に入った時に、スポンジが水を含むように、耳あかが水を吸って、耳の中でふやけてしまい、外耳炎を起こして痛くなる人もいます。また、耳あかを取ったときに、真珠腫という骨を溶かす慢性中耳炎が見つかることもあります。このように、耳あかは他の病気を引き起こすこともあれば、他の病気を見つけるきっかけになることもあります。その意味でも耳あかが気になる方はぜひ耳鼻科を受診してみてください。
- 耳あかはどのくらいの期間で取ったらいいですか?
- 耳あかには、湿っているタイプと乾いているタイプがあります。これは、遺伝で決まるもので、湿っているから病気というわけではありません。乾いているタイプの人は、自然に外に出るようになっているので、無理をして取る必要はありません。むしろ、見えないのに耳掃除をして奥に押し込んでいる方も多く見られます。湿っているタイプの人は、耳の穴にひっつくので自然に出てこない場合もあり、その場合でも耳あかは外に時間とともに移動してきます。ですから、見えるものを綿棒でとるだけで良いですので、1ヶ月に1,2度もすれば充分です。
- 耳に水が入ると、中耳炎になりますか?
- 普通は、水が入るだけでは中耳炎を起こしません。ただし、慢性中耳炎などで鼓膜に穴があいているときは、耳だれが出てくることはあります。むしろ、耳に水が入って、その不快感から、無理に耳を触って、耳の穴の皮膚を傷つけて外耳炎を起こすことがあります。水が入って不快なときは、無理に取らず蒸発するのを待つか、耳鼻科を受診するようにして下さい。
- 突然、耳が聞こえなくなり、耳のつまる感じや耳鳴りがあります。
- 急に聞こえなくなる病気の代表的なものに、突発性難聴があります。文字通り、突然、難聴を起こすことからつけられた病名です。同時に、耳鳴りや耳のつまる感じを伴うこともよくあります。発症後、1週間以内の治療がすすめられていますので、できるだけ早めに耳鼻科を受診することをお勧めします。
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- 急性中耳炎といわれましたが、お風呂やプールはどうしたらいいですか?
- 急性中耳炎などの急性炎症は、あたためると余計に炎症がひどくなることがあります。熱があったり、痛みのあるときは、入浴を避けるか、入っても湯船に長くつかったりしない方が良いでしょう。熱が下がって、痛みが無ければ、お風呂は普通に入っても、まず心配ありません。プールに関しては、急性中耳炎の後、しばらく鼓膜に穴があいている場合がありますので、その場合はプールに入れません。穴があいているかは、診察しないとわからないので、耳鼻科のお医者さんに確認してみてください。
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- 子供が最近呼びかけても反応が悪く、テレビの音も大きくしています。耳が悪いのでしょうか?
- お子さんの聞こえが悪いことは、呼びかけても反応しないことや、テレビの音が大きいことで気づかれることがよくあります。それまで特に問題がなかったのに、最近聞こえが悪くなっている様に感じる場合、最もよく見られるのは滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)という鼓膜の奥に分泌物がたまる病気が考えられます。診察し検査をすれば、すぐに診断がつきますので、耳鼻科を受診してください。
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- 滲出性中耳炎といわれ通院中ですが、プールは入っていいのですか?
- 滲出性中耳炎の状態、鼻の状態によって変わります。滲出性中耳炎の患者さん全てが、プールに入ってはいけないわけではありません。ただし、滲出性中耳炎は、鼻の症状と関連していますので、プールに入った後に鼻の症状が悪くなるようであれば、やはりプールは避けた方が望ましいでしょう。また鼓膜にチューブを入れている場合でも、絶対にプールに入っていけないわけではなく、耳栓をして、飛び込みや潜水のような水圧がかかることを避ければ、問題なくプールに入ったり、スイミングを続けておられる方もおられます。
【よくある耳鼻科の病気】滲出性中耳炎はこちら
- 中耳炎の治療で、鼓膜に穴をあける治療があると聞きましたが、大丈夫なんですか?
- 鼓膜に穴をあけるというのは、「鼓膜切開」といって鼓膜を2,3mm切る処置です。急性中耳炎でも滲出性中耳炎でも行うことがあります。鼓膜切開というと痛そうなイメージがあると思いますが、麻酔をするとほとんど痛みはありません。当院ではイオン麻酔という方法で麻酔をしており、耳の中に麻酔液を入れて電気で麻酔するだけで、注射を打ったりするわけではありません。15分程度横になっているだけで麻酔は終わります。また、切開した鼓膜は、ほとんどの場合自然に閉じます。
- 最近、スポーツで鼓膜が破れました。ふさがるでしょうか?
- 格闘技、球技等で見られます。鼓膜は再生しますので、ほとんどの場合は、数週間以内に閉じます。しかし、大きな穴や、鼓膜の端に穴があいていたり、耳だれが出ている場合などは、自然には閉じないことがあります。耳だれが出ている場合は、耳鼻科でしっかり治療してください。残念ながら、半年たっても閉じなければ、手術が必要になることがあります。
- 聞こえにくいのですが、治すことはできますか?
- 聞こえにくい(難聴)原因によります。中耳炎による難聴は、薬や手術などの方法で治すことができる可能性があります。突発性難聴のような急に聞こえにくくなったものは、できるだけ早く治療を開始すれば、治ることがあります。先天的に聞こえない場合や、後天的に聴力を失った場合でも、人工内耳という治療法が適応になる方もおられますので、耳鼻科にご相談ください。
- めまいがありますが、何科を受診すれば良いですか?
- めまいを起こす病気は、病名にするだけで20種類以上あります。大きく分けると、耳が原因のものと脳が原因になるものがあります。めまいは耳が原因のものが多く、頭を動かすとひどくなったり、聴力が変動するものも多くあります。このような場合は耳鼻科を受診するのがよいでしょう。耳が原因のものは、命に関わることはまずありません。しかし、意識を失ったり、言葉のろれつが回らない、手足がしびれている場合などは、脳が原因の可能性もあり、その時は早急に脳外科や神経内科のある病院を受診するのがよいでしょう。
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- 耳鳴りは治るんでしょうか?
- 残念ながら、耳鳴りを完全に治す方法はありません。お薬や注射での治療の他に、音を聞くことで耳鳴りをわからないようにしたり、耳鳴りが気にならないよう耳鳴りに慣れるような治療法など、様々なものが試みられていますが、どの人にも効果があり、必ず治るという治療法はありません。耳鳴りは、ご自身にしか聞こえず、中には日常生活にも支障のある方もおられます。多くの方は、聴力が低下していたり、まれに聞こえの神経にできものがある場合もありますので、お悩みの方は耳鼻科を受診しましょう。
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- 耳掃除してから、耳が痛くなりました。
- それは、外耳炎です。耳の穴は、鼓膜まで約3.5cmありますが、全体の長さの2/3は骨部外耳道といい、皮膚のすぐ下は骨になっています。その皮膚は非常に薄いために、硬い材質で出来た耳かきを使ってそうじをすると、耳の皮膚を傷つけ、炎症をおこし、それが外耳炎になります。ひどい場合は、耳の穴がふさがるほど腫れてきて、聞こえが悪くなったり、また口を開けるだけでも痛くなったりします。硬い耳かきを使うのではなく、使うのであれば細い綿棒を使用するようにしましょう。外耳炎を起こしたときは耳鼻科を受診し、内服薬や点耳薬で治療します。
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- お年寄りの難聴は、治らないんですか?
- 加齢による難聴は、残念ながら元に戻すことはできません。しかし、加齢だと思い込んでおられる方が、実は中耳炎だったり、耳小骨という音を伝える骨が外れていたり、他の原因で難聴を起こしておられることがあります。お年寄りだからと、あきらめるのではなく、一度耳鼻科を受診することをお勧めします。加齢による難聴でも、補聴器を上手に使えば、日常生活が楽になると思いますので、ご相談ください。
- 補聴器で難聴が進行することがありますか?
- 適正に使用すれば、補聴器で難聴が進行することはありません。日常生活で補聴器が必要不可欠な方は、外しているときに不便を感じるので、まるで聴力が悪くなったかのように感じることがあるかも知れませんが、適正な音量や最大出力音圧であれば、補聴器が原因で難聴が進行することは、まずありません。補聴器は聴力に応じて定期的に調節する必要がありますので、定期的に耳鼻科を受診し、聴力を調べるようにしましょう。
- 補聴器をつけても、雑音ばかり聞こえて役に立たないと聞きましたが、本当でしょうか?
- 結論から言えば、役に立つ方もおられれば、役に立たない方もおられます。人間は、「耳で聞く」のではなく、実際には当然のことかもしれませんが、「脳で聴く」のです。日頃の生活の中では、車のクラクションや、他人の話し声、水の流れる音、空調の音、等様々な生活音があふれています。そのような中で、会話するときは必要な声だけを、それらのたくさんの音の中から聞き分けて「聴き取って」いるのです。「聞こえている」のではなく、「聴き取っている」のです。そのために、普通の人は、雑音の多いところでも、雑音に意識を向けず、必要な声や音に集中して聴いているのです。このようなことは、ほとんど意識せずに行っています。しかし、難聴のある方は、この必要な音だけを雑音の中から「聴き取る」ための脳の力も落ちていることがあります。補聴器は、人の声だけでなく、周囲の雑音も大きくします。従って、難聴の方が補聴器を使うと、人の声と同時に雑音も大きくなって、耳に入ってきます。そのために、耳に入ってきた雑音や声の中から、必要な音だけを取り出す脳の力が、充分残っている方には、補聴器は非常に役に立つものです。しかし、脳の聴き取る力が落ちている方には、雑音がわずらわしく、補聴器を使わなくなってしまう方もおられるのも事実です。難聴の方は、何年間もそれまで人の声だけでなく、雑音も聞こえていない状態でしたので、補聴器を使用し始めると、急にいろいろな音が入ってきて脳がとまどうために、どの音が必要な音かを聞き分けるのに、「慣れる」というリハビリが必要でしょう。補聴器は、決して安いものではないので、そのためにも、少なくとも1,2週間程度は試しに使ってから購入することをお勧めします。
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